コード進行の作り方を知りたいけれど、何から始めればいいか分からない——そんな悩みを持つDTM初心者は多いです。
この記事では、コード進行の基本的な仕組みから、初心者が覚えておくべき定番パターン、そして自分でコード進行を作るための具体的なステップまでを分かりやすく解説します。
結論からお伝えすると、コード進行に複雑な理論は必要ありません。基本の4〜6個のパターンを覚えるだけで、多くの曲が作れるようになります。
- コード進行とは何か(仕組みと役割)
- 初心者向けの定番コード進行パターン7選
- 自分でコード進行を作る手順
- DTMでコード進行を打ち込む方法

コード進行を覚えると、作曲の自由度がぐっと広がります。まずは定番パターンから試してみてください。
コード進行とは何か|作曲における役割
コード進行とは、複数のコード(和音)を決まった順番に並べたものです。曲の中でメロディやリズムが変化するように、コードも時間とともに切り替わっていきます。
たとえば、「C → Am → F → G」という順番でコードが変化していく流れがコード進行です。この進行だけで、聴き手に「明るさ」「切なさ」「解放感」などの感情を伝えることができます。
コード進行が曲に与える影響は大きく、次の2つが主な役割です。
- 感情の方向性を決める: 明るい・暗い・切ない・壮大といった曲の雰囲気はコード進行で決まります
- メロディの土台を作る: メロディはコードの上に乗るため、コード進行が変わると自然なメロディも変わります

ダイアトニックコードについて
コード進行の基本は「ダイアトニックコード」という考え方です。ダイアトニックコードとは、あるキー(調)の音階(スケール)上に作られるコードのことで、Cメジャーキーの場合は次の7つです。
| 番号 | コード | 性質 |
|---|---|---|
| I | C | メジャー(明るい) |
| IIm | Dm | マイナー(暗め) |
| IIIm | Em | マイナー(暗め) |
| IV | F | メジャー(明るい) |
| V | G | メジャー(明るい) |
| VIm | Am | マイナー(暗め) |
| VIIdim | Bdim | ディミニッシュ(不安定) |
この7つの中からコードを選んで並べていくことが、コード進行の基本的な作り方です。
初心者が最初に覚えるべき定番コード進行7選
コード進行は、一から理論で作るより、まず定番パターンを覚えて使いこなすことが上達の近道です。以下の7パターンを覚えれば、J-POP・アニソン・バラードなど多くのジャンルの曲が作れます。
① 王道進行(J-POP最頻出パターン)
Cキー例: F → G → Em → Am
数多くのJ-POPヒット曲で使われている「王道進行」です。コード進行の「IV→V→IIIm→VIm」の形が基本で、明るさの中に少し切ない感情を持つのが特徴です。
サビで使うと盛り上がりやすく、特に日本人の感性に合った響きを持つパターンです。初心者が最初に覚えるなら、この進行から始めることをおすすめします。
② カノン進行(安定感のある定番)
Cキー例: C → G → Am → Em → F → C → F → G
「カノン進行」と呼ばれるのは、作曲家パッヘルベルの「カノン」と同じ構造を持つためです。安定感があり、バラードや感動的なシーンに向いています。
コード間の移行が自然で、初心者でもきれいに聴こえる音が作りやすいです。
③ 小室進行(浮遊感のある独特のサウンド)
Cキー例: Am → F → C → G
音楽プロデューサーの小室哲哉が多用したことから「小室進行」と呼ばれるパターンです。「VIm→IV→I→V」の進行で、切なさと疾走感が共存する独特の響きを持ちます。
アニソンやJ-POPのサビで多用されており、一度聴くと「あの曲と同じだ」と気づく方も多い進行です。
④ 4536進行(J-POPの定番パターン)
Cキー例: F → G → Am → Em
「4536進行」とは、ダイアトニックコードのIV・V・VIm・IIImを順番に使う進行です。明るさの中に切なさが入り混じり、最後のEmでほんの少し物寂しさを演出します。
Aメロ・Bメロなどサビ前の落ち着いたパートに使いやすいパターンです。
⑤ クリシェ(半音移動のテクニック)
Cキー例: C → CM7 → C7 → F
クリシェは、あるコードの中の1つの音だけを半音ずつ動かしていく技法です。「C → CM7 → C7 → F」の例では、コードの中の最高音がソ→ファ♯→ファ→ファと半音下がっていきます。
この技法を使うと、コード自体はほとんど変わっていないのに「動いている感」が生まれます。バラードや感情的な場面に効果的です。
⑥ ループ系2コード進行(シンプルな繰り返し)
例: Am → G の繰り返し
コード2つを繰り返すシンプルな進行です。Lo-fi hiphopやR&B、エレクトロニカなどのジャンルでは、コード数を絞った方がグルーヴが出やすいことがあります。
「Am → G」を繰り返すだけで、ドリーミーな雰囲気が作れます。複雑な進行より単純な進行の方が合うジャンルもあることを覚えておくと、幅が広がります。
⑦ Just The Two of Us進行(おしゃれな雰囲気)
例: CM7 → E7 → Am7 → D7
ジャズやシティポップでよく使われる進行です。メジャー7thコードやドミナント7thコードを使うことで、おしゃれで洗練された雰囲気が出ます。
シンプルなコードだけでは物足りなくなってきたら、7thコードを加えてみるとサウンドが一気に変わります。


最初は「王道進行」と「小室進行」だけ覚えておけば、多くの曲の雰囲気が作れます。まずこの2つを実際に鳴らしてみてください。
コード進行の作り方ステップ|初心者向け手順
実際にコード進行を作るときの手順を解説します。
ステップ1: キーを決める
まずは曲のキー(調性)を決めます。キーとは「どの音を基準にするか」を定めるもので、Cメジャー・Gメジャー・Aマイナーなどがあります。
初心者はCメジャーキーから始めることをおすすめします。ピアノロールで黒鍵を使わずに音が組めるため、視覚的に分かりやすいからです。
ステップ2: 使うコードの候補を出す
次に、選んだキーのダイアトニックコードを確認します。Cメジャーキーなら「C・Dm・Em・F・G・Am・Bdim」の7つが基本候補です。
Aマイナーキーではダイアトニックコードが「Am・Bdim・C・Dm・Em・F・G」になります。暗く情緒的な雰囲気の曲に向いています。
ステップ3: 4〜8コードで進行を組む
1小節ごとにコードを変える形で4〜8個のコードを並べます。最初はシンプルに4コードで作るのがおすすめです。
コード進行を決めるときのポイントは2つです。
- 始まりと終わり: 多くの場合、進行の最初と最後にI(CキーならC)が来ると安定感があります
- 緊張と解消: V(G)はI(C)に向かいたがる性質(ドミナントモーション)があるので、G→Cの流れを作ると「解決した感」が生まれます
ステップ4: 実際に鳴らして聴き比べる
作ったコード進行をDAWのピアノロールや鍵盤で実際に鳴らしてみます。紙の上で考えるより、音を出して確認することが重要です。
気に入らなければコードを1つ変えてみる、あるいは順番を入れ替えてみることで、理想のサウンドに近づけていきましょう。
ステップ5: テンポとリズムも考慮する
同じコード進行でもテンポが変わると印象がガラッと変わります。たとえば、王道進行をゆっくりBPM70で弾けばバラードっぽくなり、BPM120にすればポップな雰囲気になります。
また、コードをアルペジオ(音を1つずつ弾く奏法)にするか、和音でまとめて弾くかによっても雰囲気が大きく変わります。

DTMでコード進行を入力する方法
コード進行が決まったら、DAWに打ち込んでいきます。基本的な方法を説明します。
ピアノロールでコードを入力する手順
- MIDIトラックを作成し、ピアノロールを開く
- 1小節目にCのコード(C・E・G)をまとめて入力する
- 次の小節にAmのコード(A・C・E)を入力する
- 同じ要領で残りのコードも入力していく
コードの各音をどの高さで入力するかは、鍵盤の中央付近(C4〜G4の範囲)を基本にすると弾きやすいサウンドになります。
コードトラックを活用する(DAWによる)
Logic Pro・Cubase・Fender Studio Pro(旧Studio One)などの主要なDAWには「コードトラック」または「コードパッド」機能があります。これを使うと、コードを登録するだけで自動でコードを配置できます。
コード進行の試し打ちをするときは、この機能を使うと効率よく作業できます。
コードプラグインを使う
「Scaler 3」「Captain Chords」などのコード補助プラグインも便利です。コードを選ぶと自動的に押さえ方(ボイシング)を提案してくれるため、理論が分からなくてもおしゃれなコード進行が作れます(価格・機能の詳細は公式サイトで要確認)。
[ボタン設置: Scaler 3の詳細・公式サイト/Scaler 3を見る]
コード進行を発展させるコツ
定番パターンを覚えたら、次はパターンを少し変えてオリジナリティを出していきましょう。
代理コードを使う
代理コードとは、あるコードの代わりに使える別のコードのことです。CメジャーキーではC(I)の代わりにEm(IIIm)やAm(VIm)が代理コードとして機能します。
たとえば、「C→F→G→C」の進行を「Em→F→G→Am」に変えるだけで、明るい雰囲気から少し切ない雰囲気に変化します。
テンションコードを加える
Cmaj7・Am7・G7など、基本3和音に7th(セブンス)の音を加えると一気に洗練された響きになります。
最初はすべてのコードに加える必要はなく、1〜2か所だけ使うだけでも効果があります。
転調を取り入れる
曲の途中でキーを変える「転調」を使うと、一気に感情が高まる効果があります。サビ前やサビの途中で半音または全音上に転調するのが定番です。
アニソンやJ-POPでは「Bメロからサビに入る直前に半音上げる」テクニックがよく使われています。
コード進行に関するよくある質問
Q. コード理論を学ばなくてもコード進行は作れますか?
作れます。定番のコード進行パターンをいくつか覚えて、実際に鳴らしながら「いい感じ」と思えるものを選ぶことが、初心者にとって最も効率的な方法です。理論は後から学んでも十分間に合います。
Q. コード進行はコピーしてもいいですか?
コード進行そのものには著作権がないため、有名な楽曲のコード進行を参考にすること自体は問題ありません。「王道進行」「カノン進行」などと呼ばれるパターンが多くの曲で使われているのも、そのためです。ただし、メロディや歌詞は著作権の対象になりますので、そちらはコピーしないようにしてください。
Q. コード進行は何小節で1セットにすればいいですか?
一般的に4小節か8小節が多いです。4コード進行を4小節かけて1周するパターンが最もシンプルで使いやすく、初心者はこの形から始めることをおすすめします。
Q. マイナーキーのコード進行の作り方は?
マイナーキーの場合も基本的な考え方は同じです。たとえばAマイナーキーのダイアトニックコード(Am・Bdim・C・Dm・Em・F・G)から選んで並べていきます。マイナーキーの曲は「暗い・クール・切ない」雰囲気になりやすく、ロックやR&Bに向いています。
Q. コード進行が決まらないときはどうすればいいですか?
好きな曲のコード進行をコピーして、少しずつ変えていくのがおすすめです。最初の1コードだけ変える、最後の2コードだけ入れ替えるなど、少しずつ変化を加えていくことで自然なオリジナル進行が生まれやすくなります。
まとめ|コード進行は「パターン」から始めよう
- コード進行とは、コードを一定の順番に並べたもの
- 定番パターン(王道進行・カノン進行・小室進行など)から覚えるのが近道
- Cメジャーキーのダイアトニックコード7つを軸に並べる
- 実際に音を出して確認しながら調整する
- 代理コードや7thコードを加えて発展させていく
コード進行は最初から複雑なものを作る必要はありません。王道の4〜7パターンを覚えて実際に鳴らしながら耳を育てることが、上達への一番の近道です。
DTMソフトのピアノロールにコードを打ち込んで、気に入ったコード進行が見つかったらメロディを乗せてみてください。その繰り返しの中で、コード感覚が自然と身についていきます。

最初は「王道進行」1つ覚えるだけで十分です。実際に音を出しながら覚えるのが、理論書を読むより10倍早いです。
【入稿情報】
- スラッグ案: chord-progression-beginner
- カテゴリー: production
- タグ案: コード進行, 作曲, 音楽理論, 初心者向け, DTM
- フォーカスキーワード(RankMath): コード進行 作り方 初心者
- サブキーワード(RankMath): コード進行 パターン, 定番 コード進行, 作曲 コード 基礎
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